みずほ厚生センター 50年のあゆみ

「共に」つなげてきた50年のあゆみ。

50周年の節目に、はじまりのときに思いを馳せ、いままでのこと、そしてこれからのこと。

はじまりは、木造の校舎から 社会福祉に貢献する「一念発起」

 もともと父は臼杵市で病院の事務長を務めていました。当時その病院には、恵まれない子どもの施設からの患者さんも来られていて、そのなかに障がいのある方もいらしたんですね。その状況を見た父が、「なんとかしてあげたい」という思いで一念発起したのが、知的障がい児の施設を作るきっかけでした。補助金もない時代に私財を投じるのは大きな決断だったと思うのですが、そのころから父にも、母にも「社会福祉に貢献したい」という気持ちが強くあったのだと思います。

 そして「社会福祉法人みずほ学園」を設立したのが、昭和40年の2月。「知的障がい児施設みずほ学園」は、現在「あらかしの園」の場所に中学校の跡地と校舎の払い下げを受けて開設しました。知的障がい児の施設としては、大分県で4番目の設立となります。臼杵だけでなく県内の遠方からも利用を望むお子さんがたくさん来られて、定員は年々増えていきました。
 当時の施設は、ロの字をした古い木造校舎の平屋でした。5、6歳から18歳までの子どもたちが入所して共同生活を送り、それぞれの体力や成長にあわせてせいかつする術を習得する生活学習を行っていました。開設したときは、私はちょうど中学生になったばかり。同じ敷地内に住んでいましたから、学園の子どもたちとほぼ同じ生活を送って、一緒に少年時代を育ちました。

大塚喜八郎 初代理事長

「暮らす場所」と「働く場所」 さらに一歩、その先へ進む

 昭和51年7月には「社会福祉法人みずほ学園」から「社会福祉法人みずほ厚生センター」に改称しました。
 そして「みずほ学園」が開設して11年が経った同年、なかには18歳を過ぎて児童施設を利用できなくなるお子さんもいらして、次の行き先として大人の施設が必要になってきたんですね。そこで「施設がないなら自分たちで作ろう」と、古い施設を建て替えて新たに開設したのが「知的障がい者更生施設聖心園」です。目が不自由で知的障がいがある方をお預かりできる、西日本で唯一の更生施設であることも大きな特徴でした。
 次に持ち上がったのは、障がいの軽い方が自分で働いて社会に出られるよう訓練する授産施設の計画です。そのとき私は神奈川にある総合福祉施設で5年間、修行を積んでいたのですが、授産施設の開設にあたり帰郷しました。1年目は当時母が施設長をしていた「聖心園」に指導員として入り、2年目からは申請の手続きや開設の準備をすすめ、昭和57年4月に「精神薄弱者授産施設あらかしの園」をオープンして施設長になったのは29歳の時でした。

 「みずほ」で育った子どもたちが大人になり、「暮らす場所」ができて、今度は「働く場所」ができた。ならば、さらにもう一歩、住居と職場が近くにある環境で、自立した生活が送られるよう後押ししようと始めたのが「あっとほーむ風車」のグループホーム事業です。障がいのある方も地域に出て暮らし、社会生活を営む、本来あるべき姿を実現するのが目的でした。

初期のみずほ学園入口にて生徒達

介護福祉サービスをスタート 地域の社会福祉に貢献する

 介護を受ける高齢者の方とそのご家族が、介護サービスの提供者と直接契約を結ぶ介護保険制度が始まったのは平成12年。その1年前に、地域と行政の要望を受けて開始したのが「特別養護老人ホーム四季の郷」を中心とした高齢者介護事業です。
 それまでは障がいのある方を専門にした福祉サービスに目を向けていたのですが、創設者の「社会福祉に貢献する」という強い思いに立ち返れば、地域の高齢者福祉を狙うのも社会福祉法人としての使命です。新しい挑戦ではありましたが、現在はパートナーも頼もしく育ち、充実したサービスをご提供できているのではないかと自負しています。
 また、障がいのある方とそのご家族が地域で安心して暮らせるように「さぽーとセンター風車」の相談支援事業も開始しました。これまでに培った支援や情報、ネットワークを地域社会に還元できればと思っています。

新しいまちづくりを描くピアタウン・エルファロ誕生

 みずほ学園、聖心園、あらかしの園、四季の郷、そしてさぽーとセンター風車。時代のニーズや利用される方にあわせて生まれた5つの施設は、みずほ厚生センターを支える拠点として大きく成長してきました。
 そして平成27年5月、新たな拠点として誕生したのが「ピアタウン・エルファロ」です。ピアは「仲間」、タウンは「まち」、エルファロは「灯台」という意味を持ち、障がいのある方々や高齢者の方々の豊かな未来を照らしながら、地域の方と共に集う場所を提供する。まさに「みずほ」の理念である「一人ひとりの尊厳を守り共育・共生の地域づくりに貢献する」ことを、このピアタウン・エルファロでも表現していきたいと考えています。
 そして50周年という大きな節目を迎え、あらためて強く思うのは、「もう一度しっかり足元を見つめ直す」ことです。私たちの目標であり、「原点」である理念と向き合い、どうすれば具現化できるのかを一つひとつパートナーとともに考えていく。50年のその先を越えていくロードマップには、変化をおそれず、つねに革新していく姿を描いています。

理事長 大塚恭弘